タイトル 知りたい!

H11.03.21発信


VOL. 6 単位の始まりに身体が大活躍だったって?
  パパ  何気なく使っている私たちの身体が、大昔には物の長さを決める「単位」になっていたらしい。
 今でもおばあちゃん達が「何尺」と言うけれど、その「尺」も古代の中国から伝わってきたんだって。
 長さの単位ってどうやって決めたんだろう。




◆ 大昔のものさしは“か・ら・だ”だった!!◆

パパ

 単位はいつ頃、どうして誕生したんでしょう?
店員 原始人のイラスト  いつ頃から単位という認識をもったかは定かではありませんが、 猟をしたり、小屋や舟を作る材料を集める時に、 指や肘(ひじ)を使って長さを測ったのではないでしょうか。

 そして、集団で農耕などを行う時代には、 皆が理解しあえる「単位」という基準をつくりあげたのだと思われます。
 「単位」をつくることにより、実物がなくても手や足を使えばその大きさが表現できるようになりました。
 
パパ  身体を使った「単位」にどんなものがあったんですか?

店員
店員
 各国、各地域でたくさんの単位が使われていたようですが、 主な単位には下記のようなものがありました。

『キュービット』古代オリエント諸国で広く使われた長さの単位。
キュービットは「肘(ひじ)」の意味で、肘から中指の先までの長さ。
基本単位『ヤード』=『2キュービット』など他の単位の基本にもなりました。
単位のイラスト
『尺(しゃく)』 東洋では、親指から中指の先端までの長さ(約20センチ)を言いました。 中国では約4千年前から使われており、『尺』という字は、 この測る時の手の形から作られた象形文字だと言われています。
その後、日本に伝わった来た頃には、『尺』の長さはは約30センチに変っていました。
『スパン』 西洋では、親指と小指の先端までの長さを言いました。
『フート』 西洋では、足の踵(かかと)から爪先(つまさき)までの長さを言いました。
余談ですが、『フート』は「肘から手首までの長さ」とほぼ同じです。
『インチ』 『インチ』は「フートの12分の1」という意味。
長さとしては約25ミリで、国によっては「オオムギ3粒分」と言ったり、 「親指の幅」と言ったようです。


◆ 実の重さが“カラット”の生みの親!!◆

店員

 このように、その土地、その国により基準はいろいろありました。 手や足を使うことは勿論、農耕民の間では、穀物の一粒の大きさや重さを基準にしていました。
 例えばムギやキビ。驚くことに、マメ科の樹になるキラトという実の重さが、 「カラット」という単位の始まりで、200ミリグラム前後を表しました。
 あのダイヤモンドもこのマメを使って取り引きされたようです。
 そして、この単位は、あとでお話しようと思う“メートル法”によって「1カラット=200ミリグラム」に統一されました。

パパ

 面白い話ですね。古代人に敬意を表したい気分ですね。

ライン



◆ 国際的な単位制度『メートル条約』の誕生!!◆

店員  国際貿易が活発化してくることにより、『単位』を全世界で統一しなければならなくなったんです。
パパ  メートル法っていうのが、できたんでしょ?
店員  そうです。長い年月を費やし、世界的な「単位の統一」を目指していました。 そして19世紀に、フランスの政治家であり、外交官であったタレーランの提案で、 『メートル条約』が成立し、国際的な単位制度ができました。

 この『メートル条約』と言うのは、度量衡(どりょうこう)、つまり度=長さ・面積、 量=体積、衡=重さの範囲でのみの単位統一でした。

 ところで、パパさん!このころの“1メートル”という長さは、 何を基準に決めていたかご存知ですか?
パパ  困りましたねえ・・・
 息子にも聞かれたことあったんですが・・・ 今の“1メートル”は、光の速度と関係あるとは聞いた事ありますが。
 教えてくれませんか?
店員  私も知ってビックリ。今の “1メートル”は、1983年に決められた 「1/299792458秒の間に光が真空中を伝わる行程の長さ」を言います。
 けれど、それ以前は『メートル条約』で決められた基準を使っていました。 なんと、全世界共有の地球の大きさから考え出され、 『北極から赤道までの子午線の長さの1/1千万』が“1メートル”と決められたそうです。

 そして、“ものさしのものさし”となる、『メートル原器』『キログラム原器』が開発され、 同盟国に分配されました。日本にも1889年に、原器が割り当てられたようですね。

 どうですか。ビックリされたでしょう・・・
パパ  「単位」に、地球まで登場するとは驚きましたね。
 大きなスケールでものを考え、実行に移していった多くの人たちのお陰で、 私たちは今快適に生活することができるんですね。 感慨深いものがありました。




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