H12.06.21発信 |
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VOL.21 | お茶が語る?歴史路 |
ほっと一息したい時、アツ〜イお茶を一服・・・これが習慣になっています。 こんなに身近なお茶なのに、その歴史も、おいしいお茶の入れ方もよくわかっていないのよねえ。 もう少し他種類のお茶を楽しむためにも、緑茶などについて教えてください。 |
◆ お茶の故郷は中国? ◆ | |
おばあちゃん |
今は世界中で親しまれているお茶ですが、
原産地や日本に伝わったルーツを教えてください。 |
店員 |
原産地は中国です。唐代の詩人、陸羽が著わしたと言われる茶の最高の経典“茶経”によると、 大昔に漢方医学の祖、神農(薬の神)が野山で茶の葉を見つけ、飲んだことが始まりとされています。 また、この“茶経”には茶の起源、製法、茶道具、茶の見分け方まで記されています。 今から1000年以上前に「茶の道」が確立していたなんて、すごいですね。 そして、茶が日本に伝わってきたのは、奈良〜平安初期で、 最澄や空海などの僧侶が唐に渡った時に持ち帰ったといわれています。 その後、鎌倉時代に、栄西が茶の効用を体験し、その内容を『喫茶養生記』に著わし、 “茶は養生の仙薬なり、延命の妙術なり”と記しました。 |
おばあちゃん |
お茶にも長〜い歴史があったんですね。 栄西を“茶祖”と呼んだりするのも大きな功績を残したからなんですね? |
店員 |
そうですね。具体的には、日本に茶の種を持ち帰ると共に、
初めて茶の蒸し製法を伝えました。
この製法により、国内でも茶を生産加工できるようになったんです。 また、この頃までは、茶は薬として愛飲されていたようです。 江戸時代の初めに、千利休が、現在の茶道の原形となる「茶の湯」を創りあげました。 けれど、茶が一般庶民にも親しまれるようになったのは、 なんと第二次大戦後のことなんです。 |
おばあちゃん |
お茶の味に深みを感じるわ。お茶を楽しめる時代に生きてよかったわあ・・・ ところで、そのお茶にも、緑茶や紅茶、ウーロン茶といろいろありますね。 それぞれ違う樹から採れるんですか? |
◆ 種類の違いは工程の違い?! ◆ | |
店員 |
いいえ。緑茶や紅茶、ウーロン茶、どれも同じツバキ科のお茶の樹から採れるものです。
ただ茶造りの工程が違います。 茶の葉は、摘んだままにしておくと発酵が進んで紅茶になります。 ウーロン茶はその工程途中の半発酵状態のものです。 緑茶にしよと思えば、製造工程の最初に茶の新芽を蒸して発酵を止めます。 |
おばあちゃん |
そうなんですか。
一つのものから多種多様の香り・味を作り上げるって素晴らしい技ですねえ。 香りも素晴らしいけれど、その成分もスゴモノらしいですね・・・ |
◆ カテキンパワー?! ◆ | |
店員 |
はい!カテキンという成分が体に良いと、以前テレビでよく言われていましたね。
お茶を飲んだ時に渋味を感じますが、
そのもととなる成分がタンニンの中のカテキンなんです。 データや研究から、カテキンには発ガン抑制の働き、殺菌作用があることが判明しました。 茶の種類によって、カテキン含有量も違うのですが、 緑茶に含まれるカテキンが一番良質のもののようです。 ただ、茶湯には成分の半分も抽出されません。 そんなことから抹茶が効率的に摂取できると考えられます。 |
おばあちゃん |
自然の恵みは、たいしたものですね。
昔の人の生活はホント理に叶っていたんですね。 |
◆ 他にもあったパワー! ◆ | |
店員 |
茶の成分には、他にも効能があるといわれています。
成分中には、ビタミンCや、それ以外のビタミン、ミネラルも含まれていて、
風邪予防、新陳代謝の促進に欠かせないものです。 他にカフェインによる利尿作用、二日酔い回復効果、覚醒効果や、 フラボノイドによる血管壁強化作用(脳卒中の予防)、 フッ素による虫歯予防などがあります。 きっと、もっとあることでしょうが・・・ |
◆ 緑茶のいろいろ!! ◆ | |
店員 |
そのお茶ですが、緑茶といえども製法により、「煎茶」「くき茶」「玄米茶」「玉露(ぎょくろ)」「抹茶」・・・と、いろいろありますね。
ちなみに「玄米茶」は、お茶の葉に炒り米を混ぜたもので、香ばしさが特徴です。 高級茶として知られる「玉露(ぎょくろ)」は、 茶を摘む前の約20日間、直射日光を遮断するなど、少々手間がかかっています。 そのため、なんともいえない茶の甘みが冴え、通の人にはたまらない味となります。 |
おばあちゃん |
聞いているだけで、飲みたくなってくるわあ。
私はいつも煎茶を飲んでいるんですが、おいしく飲むポイントはありますか? |
店員 |
はい。いくつか申し上げましょう。 煎茶3人分を入れる場合、茶葉大さじ2杯(約10g)で、 お湯は沸騰したものを70〜80度までさまし、 各茶碗に八分めとなる量を急須に入れて1〜2分間おきます。 くれぐれも茶葉の量はケチラナイように・・・ |
◆ 夏も近づく八十八夜!! ◆ | |
店員 |
歌にもある“八十八夜”って知っていますか? |
おばあちゃん |
歌は親しみあるんだけれど・・・立春からの日数とは知っていますが・・・ |
店員 |
そうなんです。季節や気候をわかりやすく示すための暦日のひとつで、
立春から88日数えて、だいたい5月上旬前後になります。
昔から、無病息災にはこの日に摘み取ったお茶を飲むといいといった習わしがありました。
お茶の味としても年間で一番おいしい、茶摘みに適した時期なんです。 おいしいお茶が飲みたくなってきましたね。 |
おばあちゃん |
ほんと。ほんと。楽しかったわ。 今日教えてもらったお茶の入れ方で、おいしいお茶をご馳走しましょう。 一緒に一服いたしましょう。 |
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